ドローンで取得したデータをGISで活用すれば、業務効率が大幅に向上します。
ドローン×GIS【空撮データの活用方法】
この記事では、ドローン×GISの実践的な活用方法を解説します。
ドローン×GISのメリット
従来手法との比較
| 項目 | 従来測量 | ドローン測量 |
|---|---|---|
| 時間 | 数日〜数週間 | 数時間〜1日 |
| コスト | 高い | 中程度 |
| 安全性 | 立入リスク | 非接触で安全 |
| 範囲 | 限定的 | 広範囲可能 |
| 更新 | 再測量が大変 | 再撮影で更新 |
主なメリット
効率化
- 広範囲を短時間で撮影
- 現地作業の削減
- 繰り返し撮影が容易
安全性
- 危険箇所に立ち入らない
- 高所作業の削減
- 災害現場の調査
データ品質
- 高解像度画像
- 3Dデータの取得
- 時系列比較が可能
取得できるデータ
オルソ画像
【特徴】 ・歪みを補正した真上からの画像 ・GISにそのまま重ねられる ・位置精度が高い 【用途】 ・現況把握 ・背景地図として利用 ・変化の確認
DSM/DTM
DSM(数値表面モデル)
- 地表面+建物・樹木の高さ
- 撮影したままの状態
DTM(数値地形モデル)
- 地表面のみの高さ
- 建物・樹木を除去
用途
- 土量計算
- 断面図作成
- 3D表示
点群データ
【特徴】 ・3次元座標を持つ点の集合 ・高密度な形状表現 ・詳細な分析が可能 【用途】 ・精密な計測 ・モデリング ・変形監視
動画・静止画
活用方法
- 現場記録
- 報告書素材
- 進捗確認
撮影から活用までの流れ
全体フロー
【計画】 1. 対象範囲の確認 2. 飛行計画の作成 3. 許可申請(必要な場合) 4. 気象条件の確認 【撮影】 5. GCPの設置(必要な場合) 6. ドローン飛行 7. 画像の確認 【処理】 8. SfM処理(オルソ作成) 9. 品質確認 【活用】 10. GISでの分析・可視化
飛行計画
設定項目
- 飛行高度:地上解像度に影響
- オーバーラップ:80%以上推奨
- サイドラップ:60%以上推奨
- 飛行速度:安定性を考慮
自動飛行アプリ
- DJI GS Pro
- Pix4Dcapture
- DroneDeploy
GCP(対空標識)
目的
- 位置精度の向上
- 座標系の設定
設置のポイント
- 対象範囲に均等配置
- 5点以上推奨
- 認識しやすい色・形
オルソ画像の作成
SfM処理ソフト
| ソフト | 特徴 | 費用 |
|---|---|---|
| Metashape | 高機能、定番 | 有料 |
| Pix4D | クラウド対応 | 有料 |
| OpenDroneMap | オープンソース | 無料 |
| DroneDeploy | クラウド処理 | 有料 |
処理の流れ(Metashape)
【手順】 1. 画像をインポート 2. カメラのアラインメント 3. 密な点群の構築 4. メッシュの構築 5. テクスチャの構築 6. オルソ・DEMのエクスポート
OpenDroneMapの使用
bash
# Dockerで実行
docker run -it --rm \
-v /path/to/images:/datasets/code \
opendronemap/odm \
--project-path /datasets
# 出力
# - odm_orthophoto/odm_orthophoto.tif(オルソ)
# - odm_dem/dsm.tif(DSM)
品質確認
チェック項目
- 位置精度(GCPでの確認)
- 歪み・欠落がないか
- 解像度は十分か
- 色調は適切か
QGISでの活用
オルソ画像の読み込み
【手順】 1. レイヤ → レイヤを追加 → ラスタレイヤ 2. GeoTIFFファイルを選択 3. 座標系を確認
DSM/DEMの活用
【標高の可視化】 1. レイヤを追加 2. プロパティ → シンボロジ 3. 疑似カラーを選択 4. カラーランプを設定 【断面図の作成】 1. プラグイン「Profile tool」を使用 2. ライン上の標高を表示
面積・距離の計測
【面積計測】 1. 新規レイヤを作成 2. ポリゴンを描画 3. フィールド計算機で面積算出 $area 【距離計測】 1. 計測ツールを使用 2. またはラインを描画 $length
土量計算
python
# Pythonでの処理
import rasterio
import numpy as np
# 2つのDEMを読み込み
with rasterio.open('before_dem.tif') as src1:
dem1 = src1.read(1)
transform = src1.transform
cell_size = transform[0] * abs(transform[4])
with rasterio.open('after_dem.tif') as src2:
dem2 = src2.read(1)
# 差分計算
diff = dem2 - dem1
# 体積計算(m³)
cut = np.sum(diff[diff < 0]) * cell_size # 切土
fill = np.sum(diff[diff > 0]) * cell_size # 盛土
print(f"切土量: {abs(cut):.1f} m³")
print(f"盛土量: {fill:.1f} m³")
活用事例
事例1: 工事現場の出来形管理
内容
- 月1回のドローン撮影
- オルソ画像で進捗確認
- DEMで土量管理
効果
- 測量時間:80%削減
- リアルタイム進捗把握
- 客観的な記録
事例2: 農地の管理
内容
- 圃場のオルソ画像作成
- 生育状況の把握
- 面積の正確な計測
効果
- 効率的な巡回
- 問題の早期発見
- 補助金申請の効率化
事例3: 災害調査
内容
- 被災直後の撮影
- 被害範囲の把握
- 復旧計画への活用
効果
- 迅速な状況把握
- 安全な調査
- 経時変化の記録
事例4: 太陽光発電所の管理
内容
- 熱赤外カメラで撮影
- 異常パネルの検出
- 定期点検の効率化
効果
- 全パネルを短時間で確認
- 故障の早期発見
- 発電効率の維持
導入のポイント
機体選定
検討項目
- 飛行時間
- 搭載カメラ
- 価格帯
- 安定性
用途別おすすめ
- 簡易撮影:DJI Mini系
- 測量用途:DJI Phantom 4 RTK
- 点検用途:DJI Matrice系
法規制
確認事項
- 航空法の規制
- 飛行許可の要否
- 人口集中地区(DID)
- 空港周辺
許可申請
- 国土交通省DIPS
- 包括許可も可能
コスト
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 機体 | 10〜100万円 |
| ソフト | 10〜50万円/年 |
| 講習 | 10〜30万円 |
| 外注(1フライト) | 5〜20万円 |
スキル
必要スキル
- 安全な飛行操作
- 撮影計画
- SfM処理
- GIS操作
習得方法
- 講習会参加
- メーカー研修
- 実践練習
まとめ
ドローン×GISの価値
4つの価値
- 広範囲を効率的に把握
- 高精度なデータ取得
- 安全な作業
- 繰り返し計測が容易
導入ステップ
5ステップ
- 用途・目的を明確に
- 必要な精度を検討
- 機材・ソフトを選定
- スキルを習得
- 小規模から開始
成功のポイント
ポイント
- 目的に合った機材選定
- 適切な撮影計画
- GISでの活用まで見据える
- 継続的な運用
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