AI活用のセキュリティ

AI活用のセキュリティ【リスクと対策ガイド】

AIを安全に活用するには、適切なセキュリティ対策が必要です。

この記事では、AI活用におけるセキュリティリスクと対策を解説します。

1. AI活用のリスク

主なリスク

リスク 内容 影響度
データ漏洩 機密情報が外部に送信される
誤情報 AIの回答を鵜呑みにする
著作権侵害 生成物の権利問題
悪用 不正目的での利用
依存 AI頼りになり判断力低下

クラウドAIのリスク

データ送信リスク
  • 入力データがサーバーに送信される
  • 学習データとして使用される可能性
  • サービス提供者がアクセス可能
【考慮すべきデータ】
× 個人情報
× 顧客情報
× 財務情報
× 技術機密
× 契約内容
× 社内人事情報

ローカルLLMのリスク

【主なリスク】
・不正アクセス(ネットワーク経由)
・内部不正利用
・設定ミスによる情報漏洩
・マルウェア感染

【メリット】
・データが外部に出ない
・オフライン運用可能
・アクセス制御が容易

2. データ漏洩の防止

クラウドAI利用時

基本ルール
  • 機密情報を入力しない
  • 個人情報を匿名化してから入力
  • 利用規約を確認
  • データ利用設定を確認

具体的な対策

匿名化・一般化の例
【匿名化の例】
× 「田中太郎さんの給与は50万円です」
○ 「従業員Aの給与は50万円です」

【一般化の例】
× 「A社との契約金額は1000万円」
○ 「取引先との契約金額について相談」

【抽象化の例】
× 「当社の売上は10億円で...」
○ 「中規模企業の売上について...」

入力してはいけないデータ

絶対NG
  • 個人情報(氏名、住所、電話番号)
  • マイナンバー
  • パスワード、認証情報
  • クレジットカード情報
  • 医療情報
  • 犯罪歴
【要注意】
△ 社内機密情報
△ 顧客情報
△ 契約内容
△ 財務データ
△ 技術情報

3. ローカルLLMのセキュリティ

ネットワーク対策

【基本設定】
・ファイアウォールで外部アクセスを遮断
・VPN経由でのみアクセス許可
・不要なポートを閉じる

Ollamaの設定例
# ローカルホストのみ許可(デフォルト)
OLLAMA_HOST=127.0.0.1:11434

# 社内ネットワークのみ許可
OLLAMA_HOST=192.168.1.100:11434
# + ファイアウォールで制限

アクセス制御

【ユーザー管理】
・利用者を限定
・利用ログを記録
・定期的な棚卸し

【物理セキュリティ】
・サーバー室への入室制限
・デバイスの施錠管理
・持ち出し禁止

オフライン運用

完全オフライン
  • ネットワーク未接続で運用
  • USBでのモデル更新
  • 最も安全な方式
【メリット】
・外部からの攻撃リスクなし
・データ漏洩リスクなし

【デメリット】
・更新作業が手間
・リモート利用不可

4. クラウドAI利用時の注意点

サービス選定

【確認事項】
□ データの取り扱いポリシー
□ 学習データへの利用有無
□ データ保存期間
□ セキュリティ認証(ISO27001等)
□ データセンターの所在地

主要サービスの設定

各サービスの設定箇所
【ChatGPT】
設定 → Data controls → Chat history & training
→ オフにすると学習に使われない

【Claude】
設定 → Privacy
→ 学習利用の設定を確認

【Gemini】
アカウント設定 → データとプライバシー
→ アクティビティ管理を確認

企業向けプラン

メリット
  • データが学習に使われない
  • SLA(サービス品質保証)
  • 管理機能
  • コンプライアンス対応
【例】
・ChatGPT Enterprise
・Claude for Business
・Gemini for Workspace

5. 社内ルールの整備

AI利用ポリシー

【必須項目】
1. 利用目的の定義
2. 利用可能なサービス
3. 入力禁止情報の明確化
4. 出力の取り扱い
5. インシデント報告手順

ポリシー例

AI利用ポリシー(例)
# AI利用ポリシー

## 1. 目的
業務効率化のためのAI活用ルールを定める

## 2. 利用可能サービス
- 社内ローカルLLM(推奨)
- ChatGPT Plus(機密情報不可)

## 3. 入力禁止情報
- 個人情報
- 顧客情報
- 財務情報(詳細)
- 技術機密

## 4. 出力の取り扱い
- 事実確認は必ず行う
- そのまま外部公開しない
- 著作権に注意

## 5. インシデント報告
- 情報漏洩の疑い → 即座にIT部門へ

教育・周知

実施事項
  • 定期的な研修
  • 利用ガイドの配布
  • 事例の共有
  • Q&Aの整備

6. インシデント対応

想定されるインシデント

インシデント 対応
機密情報の誤入力 即座にIT部門に報告
不正アクセス ネットワーク遮断、調査
出力の誤使用 訂正、影響範囲確認
サービス障害 代替手段の確保

対応フロー

【機密情報誤入力時】
1. 利用を停止
2. IT部門に報告
3. 入力内容を記録
4. サービス提供者に削除依頼
5. 影響範囲の確認
6. 再発防止策の検討

報告テンプレート

インシデント報告書
【インシデント報告書】

発生日時:
発見者:
概要:
入力した情報:
利用サービス:
影響範囲:
対応状況:
再発防止策:

7. チェックリスト

導入前チェック

□ 利用目的が明確
□ 利用サービスを選定
□ セキュリティポリシーを確認
□ 社内ルールを整備
□ 教育計画を策定

日常チェック

□ 機密情報を入力していないか
□ 出力の事実確認をしたか
□ 著作権に問題ないか
□ 利用ログを確認

定期チェック(月次)

□ 利用状況の確認
□ インシデントの有無
□ ルールの遵守状況
□ 新たなリスクの確認
□ ポリシーの見直し

8. ローカルLLMの推奨理由

セキュリティ面のメリット

4つのメリット
  • データが外部に出ない:入力データは自社内で処理、学習データとして使われない
  • オフライン運用可能:ネットワーク攻撃のリスクなし、セキュアエリアでも利用可
  • アクセス制御が容易:自社でコントロール可能、利用者を限定できる
  • コンプライアンス対応:データの所在が明確、監査対応がしやすい

導入の判断基準

ローカルLLM推奨ケース
  • 機密情報を扱う
  • 金融・医療・法務分野
  • 大量利用
  • オフライン環境が必要
クラウドAI許容ケース
  • 公開情報の処理
  • 試験的な利用
  • 少量利用
  • 最新機能が必要

9. まとめ

セキュリティ対策の基本

1. 機密情報はクラウドAIに入力しない
2. ローカルLLMを積極的に検討
3. 社内ルールを整備
4. 定期的に見直し

重要ポイント

押さえるべきポイント
  • データの取り扱いを明確に
  • 教育と周知を徹底
  • インシデント対応を準備
  • 継続的な見直し

安全なAI活用のために

・リスクを理解した上で活用
・適切なツール選択
・ルールの遵守
・継続的な改善

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最終更新: 2025年1月