GISでできること10選【業種別に実例で解説】
目次
GISは地図を見るだけのツールではありません。
位置情報を活用して、業務効率化、意思決定支援、新しい価値創造まで、幅広い活用が可能です。この記事では、GISでできることを10の実例で紹介します。
1. データの地図表示・可視化
できること
Excelやデータベースにある住所・座標データを地図上に表示し、視覚的に把握できます。
活用例
- 顧客リストを地図にプロット
- 売上データを地域別に色分け表示
- 設備・資産の位置を一覧表示
効果
【Before】
住所リストを見ても位置関係がわからない
→ 営業エリアの偏りに気づけない
【After】
地図で一目瞭然
→ 空白地帯や集中エリアが見える
2. エリア分析・商圏分析
できること
特定の地点から一定距離・時間内のエリアを分析できます。
活用例
- 店舗から半径3km圏内の人口・世帯数
- 競合店舗との商圏重複分析
- 新規出店候補地の評価
分析例
| 分析項目 | 内容 |
|---|---|
| 距離圏分析 | 店舗から1km、3km、5km圏内 |
| 到達圏分析 | 車で10分、20分圏内 |
| 人口統計 | 圏内の年齢構成、世帯数 |
3. ルート最適化・配送計画
できること
複数の訪問先を効率よく回るルートを計算できます。
活用例
- 配送ルートの最適化
- 営業訪問の効率化
- 巡回点検ルートの計画
効果
【従来】
経験と勘でルート決定
→ 無駄な移動、時間のロス
【GIS活用】
最適ルートを自動計算
→ 移動時間20%削減も可能
4. 現場管理・資産管理
できること
現場や設備の位置情報を一元管理し、効率的に把握できます。
活用例
- 工事現場の位置・進捗管理
- 設備・機器の設置位置管理
- 点検履歴の位置紐付け
管理イメージ
設備台帳(Excel)+ 位置情報(GIS)
│
▼
地図上で設備を選択
│
▼
点検履歴・仕様を即座に確認
5. 災害リスク分析
できること
ハザードマップと自社データを重ね合わせ、リスクを評価できます。
活用例
- 拠点・施設の浸水リスク評価
- 避難ルートの検討
- BCP(事業継続計画)への活用
分析例
| リスク種別 | 分析内容 |
|---|---|
| 洪水 | 浸水想定区域との重ね合わせ |
| 土砂災害 | 土砂災害警戒区域の確認 |
| 地震 | 揺れやすさマップとの比較 |
6. 土地利用分析
できること
土地の利用状況を分類・分析し、変化を把握できます。
活用例
- 都市計画での用途地域分析
- 農地・森林の変化検出
- 開発適地の選定
分析手法
【土地利用分類】
衛星画像・航空写真
│
▼
画像分類(AIまたは手動)
│
▼
森林/農地/市街地/水域 に分類
│
▼
面積計算・変化分析
7. 人流・動態分析
できること
人の移動パターンや滞在状況を分析できます。
活用例
- イベント時の人流把握
- 観光客の周遊パターン分析
- 混雑状況の可視化
データソース
| データ種別 | 特徴 |
|---|---|
| 携帯位置情報 | 統計化されたデータ、広域分析向き |
| GPS軌跡 | 詳細な移動経路、同意ベース |
| Wi-Fiセンサー | 特定エリアの通過人数 |
8. 測量データの管理・活用
できること
測量成果を地図上で管理し、他のデータと連携できます。
活用例
- 測量成果の一元管理
- 過去データとの比較
- 設計データとの重ね合わせ
メリット
【従来】
・紙図面をファイル保管
・過去データを探すのに時間がかかる
・比較は目視で行う
【GIS活用】
・デジタルデータで一元管理
・検索で即座にアクセス
・重ね合わせで変化を確認
9. 環境モニタリング
できること
環境データを位置情報と紐付けて管理・分析できます。
活用例
- 水質・大気モニタリング地点の管理
- 生態系調査結果のマッピング
- 環境変化の時系列分析
活用シーン
| 分野 | GIS活用 |
|---|---|
| 森林 | 樹種分布、健全度マッピング |
| 河川 | 水質測定点の管理、流域分析 |
| 野生動物 | 生息域マッピング、行動追跡 |
10. 歴史・文化財の記録
できること
歴史的な資料や文化財を位置情報とともに記録・公開できます。
活用例
- 古地図のデジタルアーカイブ
- 文化財の位置・情報管理
- 歴史的変遷の可視化
事例
【歴史地図アーカイブ】
古地図をスキャン
│
▼
位置合わせ(ジオリファレンス)
│
▼
現代地図と重ね合わせ表示
│
▼
時代による変化を可視化
業種別おすすめ活用
| 業種 | おすすめ活用 |
|---|---|
| 測量・建設 | 現場管理、測量データ管理 |
| 小売・サービス | 商圏分析、出店計画 |
| 物流 | ルート最適化、配送計画 |
| 不動産 | エリア分析、物件管理 |
| 自治体 | 災害リスク、都市計画 |
| 農林業 | 土地利用、環境モニタリング |
まとめ
GISでできること:
- データの地図可視化で「見える化」
- 空間分析で「気づき」を得る
- 業務効率化で「時間」を生む
- 意思決定を「データ」で支援
始めるなら:
- まずは手持ちのデータを地図に表示
- 無料ツール(QGIS、Google マイマップ)で試す
- 効果を確認してから本格導入
参考・一次情報
- 国土地理院「GISとは」 — 空間データの管理・加工・可視化・分析というGISの基本機能を確認できます。
- 国土交通省「国土数値情報」 — 土地利用、公共施設、社会インフラ、災害リスク等の公式GISデータと活用領域の確認先です。
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」 — 複数の災害リスク情報を地図上で重ね合わせる公的な活用例です。
- 内閣府「RESAS 地域経済分析システム」 — 人口、産業、観光、人流等を地図とグラフで分析する政府システムの一次情報です。
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最終更新: 2025年1月